2017/6/18 エリック・カール展@世田谷美術館

2017年6月18日(日)

天気:曇り後雨

 

今日は、世田谷美術館に行った。

お昼すぎに家を出て、歩いて砧公園へ。曇り空が広がり、少し肌寒い。夕方は降水確率100%だ。10分ほど歩き、砧公園に到着。家族連れで賑わっている。美術館に向かう道の途中で、上半裸のスケボー集団に遭遇。通行人の邪魔だ。みんな迷惑そうにしている。気付いてないのか、敢えてやってるのか、ただの厨二病なのか。木々が生い茂る森を抜けて、美術館の入り口に到着。エリック・カール展。はらぺこあおむしで有名な絵本作家だ。館内は激混み。大半が小さな子供を連れたファミリー。とにかく子供が多い。少子化が嘘みたいだ。1200円のチケットを買って入場。1200円は高すぎる。ヨーロッパみたくタダにしろとは言わなくとも、300円くらいにして欲しい。行列に並びながら、ゆっくりと展示を見る。エリック・カールは1929年生まれ。ドイツ系移民のアメリカ人で、戦時中にドイツに移り住んだが、戦後にアメリカの「自由な空気」が恋しくなって、ニューヨークに戻ったらしい。若い頃は、広告のポスターを作る仕事なんかをしていたそうだ。目の前に、背中に「Think and Act」と書かれた白いウィンドブレーカーを来た男の子がいる。美術館にいる間、やたらとこの子の後ろ姿が目に入った。床に座り込んで駄々をこねたり、泣き叫んでいる子供もいた。「はらぺこあおむし見たいいい!!」と絶叫している。衝撃的な理由だ。ちょっと人が多すぎて疲れた。何も日曜日に家族連れ集団に混じって行くことはなかったと反省。たぶん1時間ほど鑑賞して外に出ると、雨が降っていた。森と雨の組み合わせは、アンダーワールドのボーンスリッピーを思い出す。確か僕が高校1年生だった2002年の曲だ。美術館のカフェでお茶をしてから、砧公園を出た。

芸術、というか創作の欲望みたいなものは、社会の抑圧から生まれることがあると思う。僕も「自由な空気」に憧れているし、バルセロナやベルリンにもし住んだら、社会の抑圧や閉塞感から解放され、より自由に、創造的になれるのではないか?そんなことを考えたりもする。同時に、東京で感じる抑圧や閉塞感みたいなものが、表現することへの渇望、エネルギーになっているような気もする。自由に書きたいことを書くことは、僕の精神安定剤になっている。こうして思いついたことを書くことで、この過剰な社会で何とか正気を保っているような気がする。自分なりのバランスの取り方というか。

芸術とは一体、何だろうか?芸術とは何を持って、芸術というのだろうか?とりあえず今の世の中では、芸術というものが強く求められているような気がする。行き過ぎた資本主義、経済思想の反動なのかもしれない。

今日美術館に来ていた人たちはみんな、あの絵を見て何を感じ、どんなことを考えるのだろう。見終えた後、奥さんや旦那さん、子供とどんな話をするのだろう。もしかしたら、美術館を出た後に感想や思ったことをアレコレ喋るのは、野暮なのかもしれない。デートで映画を見た後に、映画について延々と語るのが野暮なように。日曜日の午後に子供を連れて砧公園に行き、ついでに美術館も、というのは、今どきファミリーのオシャレな休日の過ごし方なのであって、それ以上でも以下でもないのかもしれない。わからない。家族で美術館に行く、という行為そのものが重要なのであって、そこで見たものが何であったかは、さほど重要ではないのかもしれない。少なくとも僕自身には、そういう感覚が多分にあった。美術や芸術に疎い僕でも、はらぺこあおむしは知っている。その作家の展示が近所の歩いていける美術館でやってるから、何となく行ってみたに過ぎない。普段はあまりしないことを、ちょっとしてみたかったという気持ちもある。美術館に行く、という行為そのものに、ある種のファッション性があり、何かのメタファーになり得るのだろう。美術館に限らず、野球場だって何だってそうだ。

帰り道、酒屋に寄り道して煙草を買い、店の前の喫煙所で一服していたら、変なおっさんに話しかけられた。はじめはおっさんが何を言ってるのかよくわからなかったが、この辺りには公共の喫煙スペースが全然なくて、ようやく見つかった、と安堵しているようだった。昨日は蒲田に泊まっていて、蒲田ではあちこちに吸える場所があったと語り出した。このおっさんは一体、どこから来たのだろうか。おっさんは、この辺は全然煙草が吸える場所がない、と嘆いていた。僕は、この辺は子供も多いですからね、と適当なことを言った。おっさんは特に反応しなかった。子供が多いことと喫煙場所が少ないことの相関関係がピンと来なかったのかもしれない。おっさんは煙草を吸い終わると、いい場所が見つかって良かった、と言って、斜め向かいの和菓子屋に入っていった。このおっさんは一体、何者なんだろうか。謎は解き明かされぬまま、僕は帰路についた。

世界には、不思議なことがたくさんある。